早寝、早起き、朝ごはん
早寝、早起き、朝ごはん
「百ます計算」で有名な陰山英男さんは、
繰り返し「早寝、早起き、朝ごはん」の重要性を説いています。
これはきちんとした生活習慣が、
こどもの教育上とても重要であることを、
百ます計算で、成果をあげた実績から述べていることで、
とても説得力のある言葉です。
東大に合格した長男も、受験直前まで、
早寝、早起き、朝ごはんを実践していました。
彼は塾にはいってませんでしたので、
夜遅く帰ってくることは希でしたので、
中学、高校を通じてとても規則正しい生活を送っていました。
いろいろな本を読むと、
脳の中では睡眠間中に記憶の定着が行われているようで、
きっちりとした睡眠は学習したことを、
しっかりと身につけるためにも重要といえます。
すっと眠りにつき、ぐっすりと眠り、
ぱっと起きられる、といった睡眠の質を上げることが
かしこい子どもに育つのに重要です。
いつまでもテレビをみて、ダラダラしていたり、
なかなかふとんから出られない、
といったことがありがちですが、
なるべくそうならないような習慣づけが重要です。
早寝、早起きできる空間
そのためにも、早寝、早起きがしやすい空間というものを考えてみます。
おそらく、そんなことは生活習慣の問題であって、
住宅の空間の問題ではないと考えられていると思います。
ですが、我が家では、子どもたちは3人とも、
早寝、早起きの習慣が早い段階でみにつき、
テスト前でも一夜漬けなどせず、しっかりと睡眠をとっています。
では具体的に早寝、早起きのしやすい空間という観点で、
この住宅をみてみたいと思います。
早寝、早起きのためには、「光」と「音」が重要と考えます。
とても疲れているときなどは、
どんな環境でも寝られるとは思いますが、
毎日を早寝、早起きできるようにするためには、
体が、だんだん寝られるように、
「光」と「音」を調整していくことが重要です。
光のコントロール
具体的には、寝る時間が近づくにつれ、
だんだんと光の量がへっていくことです。
また光の色が、赤みのある暖色系の色(白熱球の色)で
あることです。
子ども部屋に、ありがちな照明として、
真中に白色の蛍光灯がひとつあり、
寝るときはそれを消して、一気に明るさが変化する、
といった照明が普通だと思います。
残念ながら、この一気に光の量がかわると、
余計に目がさえたりして、なかなか寝付けないことがあります。
我が家では、3階の子ども室は、
吹抜けを通じて2階と一体になっていますので、
3階の照明を消しても、2階の明るさが、
吹抜けの天井にバウンドして、ほのかに明るくなっています。
その状態で寝床に入り、親がその後寝る際に、
電気が消えることになります。
このようにだんだんと暗くなっていくことが、
徐々に寝るために、神経を落ち着かせていくことになります。
また、朝は東に面した、
吹抜けのハイサイドライトからの光が、直接ではなく、
3階の子ども室全体を明るくしますので、
寝ていても、徐々に体が明るさになれ、起きることの抵抗が少なくなります。
これは、子ども室が一体の空間となっているため、
子ども室全体がやわらかく、明るくなっていきます。
自然の光のリズムで、朝早く起きることが普通になっていきます。
普通の住宅の間取りですと、個室ごとに方角が異なるため、
北向きの部屋であれば、朝になっても暗いままであることも普通ですので、
朝になったら、部屋の電気をつけて起こされるといった、
急激な光の変化で、なかなか早起きを習慣づけることが困難です。
音のコントロール
光と同じく、寝るまでの音、朝起きるときの音も重要です。
赤ちゃんなどには顕著ですが、子守り歌など、寝るためには、
ある程度の、音やざわつきといったものがあるほうが、
静かすぎる環境よりは、寝付きやすいというこは、おわかりいただけると思います。
扉のある子ども部屋では、音をシャットアウトしすぎるため、
余計に寝付きにくい空間となってしまっています。
我が家では、光と同じく、3階の子ども室には、
2階の音がつつぬけですが、小さなしゃべり声はかえって、
寝るために必要なざわめきとなります。
朝はお母さんが2階のキッチンで、朝ごはん、お弁当をつくる調理の音が、
3階にも聞こえてきますので、そろそろ起きる時間ということが、
耳を通じて体に感じられます。
「早寝、早起き、朝ごはん」も
むりに習慣づけるのではなく、空間づくりの段階から、
自然と習慣化するような工夫をすることが可能です。