かしこい子どもを宣伝する住宅を購入する

インターネットで「頭のよい(かしこい)子どもの育つ家」を
検索してみると、たくさんのサイトが登録されているのが、わかると思います。
特に、2000年第後半から、住宅メーカーなどが販売促進のために、
積極的に宣伝しています。

よくよくみてみると大きく3種類のソースをもとに、
このような動きになっていることがわかります。

セキスイハイムのクレスカーサというシリーズに
百ます計算で有名な陰山英男氏のアドバイスを取り入れた、
プランを提案しています。

子どもにはおなじみの学習研究社いわゆる「学研」が
住宅産業に対して、50項目のチェックポイントを提示し、
それらのポイント数を示すことで、
「学研監修」のお墨付きを与えるという
ライセンス契約的な住宅です。

このスペースオブファイブによる住宅は、
この業界の先鞭をつけた、四十万氏による「頭のよい子どもの育つ家」という本で、
とりあげられた、頭のよい子どもが育つポイントを、
それぞれ地場の工務店などの建売住宅業者に対して、
四十万氏の認定証というお墨付きを与えることで
他とは違う住宅をアピールしています。

「かしこい子どもが育つ家」を供給する住宅業界の背景

住宅産業(ハウスメーカー、マンションデベロッパー、建売住宅業者)は、
常にお客さんをひきつける、売り文句を探しています。

住宅というのは、消費財ではないにもかかわらず、
マンションブームといった流れがあります。
リーマンショックによって、一気に冷え込んだマンションブームを
生き残るために、またあまり見通しのよくない経済状況のなかで、
いかに住宅を売っていくかという宣伝文句として
この「かしこい子どもが育つ家」が脚光をあびたと考えます。

また、購買意欲のあるファミリー層にアピールできるフレーズとしても
ぴったりであったと思います。

そういう、ややうがった目線ではありますが、
これらの「かしこい子どもが育つ」を売りにしている住宅の内容が、
本当に納得できるものか、また自分に合ったものであるかを
それぞれの内容を確認してみたいと思います。

・セキスイハイム クレスカーサ 「陰山モデル」

・学研NEXT 子育てde家庭教育 ベスト住宅

・「あたまのよい子どもが育つ家」スペースオブファイブ

レディメイドな「かしこい子どもが育つ家」の限界

現在展開されている「かしこい子どもが育つ家」というのは、

「セキスイハイム+陰山英男氏」
「マンションデベロッパー+学研」
「建売住宅業者+四十万氏」

という「住宅産業+教育業界」という構図
によっていることがわかります。

そこでは、住宅産業が対象としている、住宅購買層というマスを
相手にしているため、どうしても無難な、平均的なものに
おちつかざるをえません。

それで「必要なアイテム」をたくさん揃えたら
子どもがかしこくなります、といった単純な方法になってしまい、
住宅としての魅力を感じることのない住宅になっているように思います。

各社の住宅で、押えようとしているポイントは、
実はそれほど多くありません。
簡単にまとめてしまえば、

・きちんとした家庭での習慣

・家族のコミュニケーション

この二つです。
これをいかに魅力的に、自分の家族にあったものとして、
住宅という空間に実現できるかを、
レディメイドではなく、フルオーダーで実現すべきと思います。

その方法が、「建築家」に相談することから始まります。

ぜひとも、望んでいる住宅を手に入れるために、
一歩を踏み出していただけたらと思います。